こんにちは。TechガールのUsLife編集部です。
今日はアメリカの予防接種について。
アメリカで出産・育児をしていく中で、気になる項目の一つとなるのが「子供の予防接種」ではないかと思います。ここ、アメリカで受ける予防接種も、日本と比べるとアメリカでしか受けないものや、日本でしか受けない予防接種など、調べてみると色々とあるようです。
タイトルでも書いていますが、最初に私(Techガール)の息子がアメリカの予防接種の洗礼(?)を受けたのは、何と生まれた直後で、おぎゃああ!と産声を上げたその後間もなく、B型肝炎の予防接種を受けました。
赤ちゃんのうちからB型肝炎の注射を受けるのは知っていましたが、ちょっと早過ぎ?と思ったのも正直な感想です。
もちろん、受ける・受けないの選択は出来ますが、"受けるのが当たり前"のような空気もあり、断る理由も無かったので受け入れましたが、気持ちは「生まれた直後にもう注射?」で一杯でした…(汗)
この記事は、アメリカでの赤ちゃんの予防接種についてを中心にまとめていますが、アメリカ留学時に必須だった予防接種なども含め、アメリカの予防接種事情を詳しく解説していきたいと思います。
今回は、アメリカはサンフランシスコで1歳のお子さんを育児中の方から、当ブログ用に書いて頂いた記事になりますが、一部私(Techガール)の方で編集、追加として情報を付け加えた部分もあります。
これからアメリカに子供を連れて海外赴任、移住予定の方、アメリカに留学予定の方は、ぜひ参考までに読んでみて下さいね。
アメリカの予防接種事情
アメリカと日本の予防接種の種類は、全然違うとまではいきませんが、その違いに戸惑う事も多く、私の経験上やはりリサーチは必須だと思いました。
特に日本とアメリカを行き来する方は、予防接種の受け過ぎや、次の予防接種までどのくらい間隔を開けておいた方がよいなど、医療に従事する人は既に知っているかとは思いますが、自分でも念のため確認しておくと安心だと思います。
私の場合は、アメリカの物をメインに受けつつ、日本特有の予防接種は日本で受けさせています。アメリカで受ける場合は、加入している保険の種類によって、受ける予防接種の金額の違いが出てくると思いますが、我が家のかかりつけの病院「Kaiser(カイザー)」での予防接種は、インフルエンザも含めて、全て無料で行われています。
今回は、私がアメリカで育児中に子供が受けた予防注射や、そのスケジュールについてまとめてみました。
カイザー病院について
ちなみに「Kaiser Permanente(カイザーパーマネント)病院」(文中はカイザーに省略)とは、カリフォルニアが拠点の病院で、日本で言う総合病院のようなものになります。
基本的に、カイザーの医療保険に加入した場合はカイザー病院にしか行くことが出来ません。サンフランシスコなどの大きな都市にはいくつかカイザー病院がありますが、郊外に行くとあまり見かけないので、選ぶ際には自分の住む地域にカイザー病院があるかどうかが重要になります。
その代わり、基本的には一つの病院内で全ての治療を受けることが出来ます。出産、入院、特別なケアなど、中には特定のカイザー病院でしか受けられない治療がありますが、例えばサンフランシスコであれば市内にあるどこかのカイザー病院で事が済みますし、市内にあるカイザー病院間は、無料シャトルバスが行き来しています。
通訳のサービスも充実しており、電話越し(通訳の方が現場に来てくれる事もごくたまにあります)で24時間いつでも通訳してくれるので、日本人の方にも好まれる病院だと思います。ただ、日本人の先生は滅多にいないので、「あらかじめ帰国が決まっているので、日本の医療についても聞きたい」といった状況の方にはあまり向いてないかもしれません。
更に詳しい情報は、公式サイト(英語)をご覧下さい。
外部リンクKaiser Permanente
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アメリカの予防接種は生まれた直後から!
日本の場合は、子供が産まれると予防接種手帳を渡され、その手帳に記されている期間に指定の病院で予防接種をするのが主流かと思います。
私がアメリカの病院で子供の予防接種を受けた際にはそのような書類はなく、下の写真↓のようなスケジュール表だけをもらい、目を通しておくように言われました。
アメリカの場合は、生まれた日から予防接種が始まります。その後、2・4・6ヶ月、1歳、1歳半検診、2歳検診と検診があり、その際にワクチンも同時に接種します。
1歳半までに主な予防注射が一度終わり、その後は4歳からまた追加接種していく事になるそうです。息子の場合は、つい先日1歳半検診を終えたばかりで「これで一旦注射は無くなるからね〜」と先生に言われました。
アメリカの予防接種一覧
上の表を見てもらうと分かると思いますが、アメリカで推奨されている0歳〜6歳までの予防接種は以下になります。紙に記載されていますが、分かりやすいように一応リスト化しておきます。
- HepB(B型肝炎)
- RV(ロタウイルス)
- DTaP三種混合(ジフテリア、百日咳、破傷風)
- PCV(乳児用肺炎球菌)※CDC推奨は PCV13 もしくは Prevnar 13®
- Hib(ヘモフィルス インフルエンザ/ヒブ感染症)
- IPV(不活化ポリオ)
- MMR(麻疹、おたふく風邪、風疹)
- HepA(A型肝炎)
- Varicella(水痘)
アメリカでの主な予防接種のスケジュール
実際に受けた予防接種の種類とタイミング
私が息子に受けさせた内容になりますが、以下に各検診で受けた予防接種をまとめてみました。これらかアメリカで出産予定の方、海外赴任が決まっていて、赤ちゃん、もしくは小さい子供を連れて移住予定の方には参考になるかと思います。
- 生まれた日:HepB(B型肝炎)
- 2ヶ月検診:HepB(B型肝炎) *2回目、RV(ロタウイルス)、DTaP(DPT三種混合)、Hib(ヘモフィルス インフルエンザ/ヒブ感染症)、PCV(乳児用肺炎球菌)、IPV(不活化ポリオ)
- 4ヶ月検診:RV(ロタウイルス)、DTaP(DPT三種混合)、Hib(ヘモフィルス インフルエンザ/ヒブ感染症)、PCV(乳児用肺炎球菌)、IPV(不活化ポリオ)*各2回目
- 6ヶ月検診:HepB(B型肝炎)*3回目、RV(ロタウイルス)、DTaP(DPT三種混合)、Hib(ヘモフィルス インフルエンザ/ヒブ感染症)、PCV(乳児用肺炎球菌)、IPV(不活化ポリオ)*各3回目、インフルエンザ開始(1年に1回秋から冬にかけて)
- 1歳検診:Hib(ヘモフィルス インフルエンザ/ヒブ感染症)、PCV(乳児用肺炎球菌)各4回目、MMR(麻疹・風疹・おたふく)、Varicella(水痘)、HepA(A型肝炎)、
- 1歳半検診:DTaP(DPT三種混合)*4回目
アメリカCDC(アメリカ疾病予防管理センター)の予防接種推奨スケジュール
さらに6歳までの予防接種が一覧で分かるように、アメリカDCD(アメリカ疾病予防管理センター)の予防接種スケジュールと比べてみたいと思います。
表によると、推奨されている予防接種のほとんどが2歳位(生後23ヶ月)までに終了することが分かります。私が病院からも貰った表と全く一緒です(笑)小児科もCDCを基準にしているようです。
2歳位で一旦終わって、また4歳〜6歳頃から DTaP(DPT三種混合)、IPV(不活化ポリオ)、MMR(麻疹・風疹・おたふく)、Varicella(水疱瘡)などを受けることが推奨されているようです。
日本での予防接種スケジュール
ついでなので、日本での予防接種のスケジュールも見ておきたい方は、以下のリンクよりご自身のパソコンからPDF書類をダウンロード出来ます。印刷もできますので、手元に取っておきたい方は、以下のURLを確認して下さいね。
外部リンク赤ちゃんの予防接種スケジュール -KNOW★VPD VPDを知って、子どもを守ろう-
日本とアメリカの違いとは?
ロタウイルス・おたふく風邪・A型肝炎は、何も言わなければ接種
日本では任意に指定されている「ロタウイルス」や「おたふく風邪」、「A型肝炎」などは、アメリカでは何も言わなければ自動的に打たれてしまいますので、少なくとも日本では任意である事を知っておく必要はあるかもしれません。
ちなみにですが、Techガールの息子は、ロタウイルスの予防接種は注射ではなく、口から直接ウイルスを飲むタイプの物でした。何も知らずに飲んでいる息子が可愛らしい…。この写真は生後2ヶ月の検診で受けたロタウイルスの予防接種です。
何の抵抗もなく、与えられたものをゴクゴク飲んでいたので、まぁある意味…ちょっと怖いですよね。(生後2ヶ月なので仕方無いんですけどね)
赤ちゃんの予防接種は足に打つことが多い
アメリカの予防接種では、足に注射を打つことが多いです。成人の場合は腕になりますが、赤ちゃんの場合だと、私の経験上足に打つことが殆どです。予防接種の数が多い場合は、両足に打つこともよくあります。
これは私(テックガール)の息子ですが、こんな感じで担当の人がぶっすり注射してくれます。この日は予防接種の数も多かったので、両足に打ちました。帰宅後は泣き疲れたのか、ぐっずり眠ってしまいました。
アメリカではBCG・日本脳炎の予防接種はない
アメリカの予防接種を主にすると、4歳まででアメリカで欠けているのが、生後5か月前後で摂取する「BCG」と、3歳頃に摂取する子が多い「日本脳炎」です。我が家がとても迷ったのは、日本で定期に指定されている「BCG」。
結核に対するワクチンで、アメリカでは接種する必要がなく、我が家の掛かり付け病院では受けられないと言われました。子供の肌質によっては跡が残るので、今の所、日本で暮らす予定の無いわが子に受けさせるかどうか悩みましたが、結果的には受けて良かったと思っています。
理由としては、将来的に日本で暮らす可能性がとても高いので、必要になる日がいつか来るかもしれない事、そして小さいうちであれば洋服を親がコントロールする事が出来るので、夏でも比較的涼しいサンフランシスコに住む我が家の場合は、傷跡をひっかいてしまわないように長袖を着せ、日に焼けないように努力しました。
それが功を奏したかどうかはわかりませんが、接種から1年経った今では、だいぶBCG跡が消えてきました。
また、生後5か月のタイミングで日本に一時帰国したのも理由の1つです。予防接種に合わせて一時帰国するのもなかなか難しいと思いますが、もし日本での予防接種も検討しているようであれば、参考にしていただければと思います。
また、アメリカではBCGが無いので、息子のBCG跡を見た現地のママに「これどうしたの?!」とびっくりされてしまいました。大怪我をしたのだと思われてしまったようです…。BCGが当たり前だと思っていた私は、少し戸惑ってしまいました。
日本脳炎については、カイザー病院からは生後6か月を過ぎても日本に滞在するなら接種するように勧められました。しかし、日本では3歳が標準的と聞いたので、息子が3歳になる頃にまた検討すれば良いと思い今回は見送りました。
日本でも予防接種する際に注意したい点
受け過ぎに注意
アメリカと日本をまたいで予防接種する場合は、それぞれをきちんと管理し接種のしすぎに気をつけた方がいいと思います。また渡米のタイミングによって、どこからアメリカで続きを打つべきか、日本にいる間にお医者さんに確認しておくと良いかもしれません。
Techガールより
私の知る範囲では、アメリカだと「LIFE TIME IMMUNIZATION RECORD」という冊子をもらえ、そこに打った予防接種の種類や日付、担当した医師の名前確認できるので、希望の方は出産前か後に、こういった記録用の冊子がないか、小児科に尋ねてみるのもいいかと思います。
ちなみに筆者は以下の冊子↓を貰ったので、小児科に検診に行く度に持ち歩いて、新しい予防接種があれば記録してもらっています。(電子化した方が便利そうなんですけどね…)
モザイクの部分は名前が入っているので隠していますが、受け取った際にはすでに名前のシールが張ってあって、誰のものか分かる様になっていました。(覚えてないですが、多分出産した病院で貰ったんだと思います)
上から予防接種の名前が並んでおり、右側には打った日付と担当した小児科の先生の名前&サインが入る様になっています。インフルエンザの下にある「HPV ヒューマンパピローマウィルス」の予防接種も一応書いてありました。(日本じゃどうなんでしょうか?必須になったのかな??)
こういった冊子が手元にあると、どんな予防接種を受けたか、いつ、何回受けたなども一目瞭然なので有り難いです。紙だとログインとかしなくて済むし、すぐ見たい!という場合は便利ですよね。
日本へ一時帰国の際も、この記録を医者に見てもらえばすぐ分かると思うので、無いなら自分で担当した医師まで細かく記録しとくと、いざという時に役に立つかもしれません。
2018/05/02 追記
アメリカの学校では、この「Immunization Record」が入学や進学、転校などの際に提出が義務づけされている所もあるようです。赤ちゃんを産んだらアメリカの病院じゃ貰えるようになっているのかもしれませんが、余裕のある方は、一応聞ける人に尋ねておくと良いかもしれません。(あると本当に便利です)
アメリカ現地校では予防接種が必須の場合も
あと、これは結構有名な話なのですが、アメリカで学校に通う場合は、規定の予防接種が終わっていないと入学させてもらえない事もあるそうです。(日本の幼稚園にあたるデイケアや、保育園にあたるプリスクールなども、予防接種を受けていない子供の入園を断る場合があります)
実際に聞いた話だと、ある理由で予防接種をほとんどしないでいた子どもさんは、必要な予防接種を受けていないということで、いくつかのデイケア(日本でいう保育園)の入園を断られたそうです。(入園前の予防接種は必須だった様子)
そして、アメリカでは学校入学時にツベルクリン検査をされる事もあるそうで、陰性が正常ですが、BCGを受けた子は陽性反応が出る事もあるようなので、この辺も親御さんの正確な管理と理解が必要だと思います。
カイザー病院では、オンライン上で過去に受けた予防接種の履歴を見る事が出来るので、日本に帰国した際に念のために市役所の方に連絡して、追加接種する必要のあるワクチンを確認しました。
担当の人であれば、英語名称で聞いてもだいたい理解してもらえたので、とても助かりました。
アメリカ留学時の予防接種とは?
アメリカ留学では基本的に、入学する学校が定める規定の予防接種が幾つかあり、入学前にはそれを受けていることが必要で、それが証明されなければ入学を断られるケースもあるようです。ですので、アメリカ留学を予定している人は、日本で必要な予防接種を事前に受け、医師より証明書を発行してもらうことも必要になってきます。
行く大学や学校によって必要な予防接種も若干変わってくるようですが、私(Techガール)が最初に行った大学付属のESLでは、MMR(麻疹、おたふく風邪、風疹)の予防接種が必須で、それを規定の期限以内に受けた、もしくは抗体を持っている証明が無いと入学できないようになっていました。
麻疹(はしか)は特に感染力が高く、抗体の無い人が麻疹に掛かっている人に接触すると、ほぼ100%の確立で移るそうです。(恐ろしい…)アメリカは特に移民の受け入れが多いので、色んな病気も予防接種を受けていないと蔓延してしまうため、学校などの集団生活の場では必須になっているようです。
アメリカ留学の予定がある人は、F1ビザの必須項目、または入学予定の大学、学校などの必須予防接種項目を必ずチェックしておきましょう。出発する日を逆算し、病院へも余裕を持って予防接種を受けに行くと安心かと思います。
まとめ
予防接種の説明は、専門用語も多く英語で理解するのはなかなか難しいかもしれません。我が家のかかりつけの病院 Kaiser(カイザー)は、電話越しに通訳を付けてもらう事が可能なので、難しい説明の時はいつもお願いしています。
渡米の期間が決まっていたりして、いずれ日本に帰国する事が決まってる場合は、日本の状況に詳しい先生を事前に探してかかりつけ医になってもらうのも手かもしれませんね。
加入している保険などで、病院や医師の選択が制限されることもあり、アメリカの医療保険事情はなかなか複雑です。小さなお子さんがいる方は、予防接種の事も視野に入れつつ、保険内容を検討してみるといいかもしれません。
いかがでしたか?
アメリカで育児中の方は参考になるであろう、予防接種についてまとめてみました。日本特有の物はアメリカでは受けるのが難しい予防接種もあるので、日本へ一時帰国する際、もしくは受けるタイミングに合わせて帰国するタイミングを考える家庭もありそうです。
子供の健康に関わることなので、情報は参考程度に留めて、詳しくは掛かり付けの小児科へお問い合わせ下さい。
最後まで読んで頂き、ありがとうございました。
また次回もお楽しみに!